tangerine

百合とかGLとかガールズラブとか、いっぱいいっぱい書きたいですvv

 
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「この髪飾りのつけていた美しい女性を探すのだ」
翌日、天音王子の命を受けた家来たちは、
街の中から髪飾りをつけていた美しい少女を探しておりました。
しかし、なかなか見つけ出すことはできませんでした。

「見つかりませんね」
「そもそも、無理のある命令だよね。
 私たちがその女の人を見ていたわけじゃないし。
 それに…私に言わせれば、こんな素敵な髪飾りが似合うのは…」
「どうしたんですか、蕾ちゃん?」
「あ!べ、別に、この髪飾りは千代ちゃんが似合うんじゃないかなんて、
 考えてたわけじゃないんだからね!勘違いしないでよね!」
「え?あ、あのぅ」
「こ、こんな髪飾りじゃなくったって、
 千代ちゃんなら…かわいいし、何だって似合うって思っただけなんだから!」
「蕾…ちゃん?」
「あ…いや…その……」
「そんなことは…」
「あるわよ!あるの!
 私がそう言うんだからそうなの!」
「ありがとう…ございます。
 蕾ちゃんにそう言われると、とても嬉しいです」
「そ、そう?(あぁ、嬉しそうな千代ちゃん、かわいすぎる)」
「でも、蕾ちゃんのほうが、もっともっとかわいいですよ」
「な、何を言って…。
 ささ、くだらないこと言ってないで、仕事しましょ、仕事」



日も暮れかけ、
蕾ちゃんと千代ちゃんは正直あきらめかけていました。
そのとき…

「あら、その髪飾り、私の…」
「もしかして、あなた様のですか?」
「ええ、そうだけど」
「すみません、すぐにお城に来ていただけますか!?」
「え、何、何なの!?」
自分が髪飾りの持ち主だと言ったその女性は、
蕾ちゃんと千代ちゃんにお城までひっぱられていきました。

(ごめんなさい、王子様の命令なんです。ほんの少しで終わると思いますので、多分)
(ささ、こんな仕事さっさと終わらせて、千代ちゃんとデートよ)
(あの髪飾り、光莉ちゃんに貸した衣装についてたものなんだけど…)



「君は…」
「あなたは…」

天音王子が見たのは、もちろんあの時の少女のはずがありません。
しかし、天音王子に落胆の気持ちはなく、
どことなく、懐かしいような感情を覚えておりました。

「君とは…遠い昔……会ったような気がする」
「私も、ですわ」
そう、天音王子と魔法使いのお姉さんの千華留は、数年前に会っていたのです。



それは2人とも幼かった頃の話。
千華留はお城を探検したいと思い、
お城に忍び込んだことがありました。
その際偶然出会ってしまったのが、
やはり幼かった頃の天音王子だったのです。

2人はすっかり親しくなり、
出会った次の日も2人だけで仲良くふざけあっておりました。
そうしているうちに、2人の心には何か特別な気持ちが芽生えつつありました。

しかし、かたやお城の王子さま、かたやお城に入ることの許されない平民の娘、
2人の時間は長くは続かなかったのです。

そのさらに次の日、千華留はまた天音王子に会うため、
お城に忍び込もうとしましたが、
そこに天音王子はいませんでした。
代わりにいたのは、天音王子の家庭教師。
彼女は天音王子に英才教育を施しておりましたが、
この頃の王子の様子がおかしいことに気付き、調べていたところ、
王子が千華留と密会していることに気付いてしまったのです。
そして、千華留のことを王子の心を乱す悪い虫だとみなし、
今後一切お城に入ることの無いよう、今後一切王子と会うことの無いよう、
たいへん厳しい警告を千華留に突きつけたのです

こうして千華留と王子の関係は引き裂かれ、
いつも明るく元気だった千華留も、
しばらく泣き崩れる日々を送っていたのでした。
天音王子もまた、もう今後好きなあの子に会えないという現実に、
しばらく涙を流す日々が続いたのでした。

しかし、時が流れていくにつれ、
2人ともそのことについてあまり意識をしなくなり、
天音王子は次期国王として学問、武術、馬術に明け暮れ、
千華留は街の子供たちと遊ぶかたわら、服飾魔法のお勉強に精進するのでありました。



それはもう何年も前の話のことで、
2人とももうはっきりと覚えてはいませんでしたが、
2人は確かに出会っていたのです。
2人が「懐かしい」という気持ちを共有していること、
それがその証拠なのです。

「君、この城に、入ってくれないか?
 よく思い出せないんだけど、
 これから少しでも長い時間君といれば、
 以前君と出会ったことを、きっと思い出せそうな気がする」
「王子様…」
その言葉に千華留は、少し間をおいて返しました。
「ごめんなさい。私、お城に仕えるなんて性分じゃないから。
 街で可愛い子たちと、楽しく暮らしていたいから」
「そう…か…」
「でも…
 誰にも邪魔されない時間、誰にも邪魔されない空間があるのなら、
 こっそりあなたに会いに来ても、いいかしら?」
そのときの千華留の笑顔は、
空に輝く満月にも負けないくらい、明るいものでした。
そして、満月の光に照らされた千華留の笑顔は、
まさに満月そのものといった感じでありました。 
その様子に少し緊張気味だった天音王子の顔もほころび、
やさしい表情を取り戻したのでした。
「うん、いつでも待ってるからね」



「今私たち、
 植え込みの陰に隠れて王子様とあの女性の方のやりとりをこっそりと見ていたけど、
 何か不思議な感じだったね」
「蕾ちゃん、何で説明的なんですか?」
「うるさいわね千代ちゃん、そう言わないと状況がわかりづらいでしょ?
 それはともかく、あのお二人、ちょっといい雰囲気じゃなかった?」
「そうですね。
 でも、ずいぶん昔に会われたっきりで、ずっと離れ離れだったみたいですけど」
「そうだよね…」

そして蕾ちゃんは、
自分と千代ちゃんのことを、あの2人に置きかえて考えてみたのでした。

もし自分と千代ちゃんが離れ離れにならざるを得なくなったとしたら?
そのとき自分はどんなに哀しい思いをするんだろう?
千代ちゃんは哀しんでくれるのかな?
自分は次第に千代ちゃんのことを忘れてしまうのかな?
自分が忘れなかったとしても、千代ちゃんは忘れてしまうのかな?

わからない、わからないけど…。
これだけはわかるよ。

そんなのはイヤ!
千代ちゃんと離れたくなんかない!
私と千代ちゃんは、ずっと一緒にいるんだから!

「千代ちゃん!」
「ど、どうしたんですか、蕾ちゃん?」
「私たちは、ずっといっしょなんだからね。
 絶対に、絶対に離さないんだから!」
蕾ちゃんが急に抱きついてきたので、千代ちゃんはびっくりです。
けどそれは、千代ちゃんも全く同じ気持ちなのでした。
「大丈夫です。
 私はずっと、ずっと、ずーっと、蕾ちゃんといっしょです」
「本当?」
「本当ですよ」
「じゃあ…」
そう言うと蕾ちゃんは、千代ちゃんのくちびるにキスをしたのでした。
「約束だからね」
顔を真っ赤にした蕾ちゃんがそう言うと、
同じく顔を真っ赤にしていた千代ちゃんも、
「はい、約束です」
と、返したのでした。



「あのー」
「はい?…って、えぇ!?王子様に、街で出会ったお姉さま!?
 何でここに!!?」
「いや、先ほどから茂みのほうから声が聞こえてたからさ…」
「お楽しみのところ、お邪魔しちゃったみたい…ね?」
「えっと、その…あの………
 千代ちゃん、行くよ!」
「え?あ、ちょっと、待ってくださーい!
 蕾ちゃん足速いです~」
「あらあら」



満月の下、お城の中の夜
昨日の舞踏会のような賑やかさ、華やかさはすっかりなくなってしまっておりました。
しかし、絆という名の花、恋という名の花は、
静かなお城の中でひっそりと、
それぞれの形で咲いているのでありました。



(つづく)



↓後記と次回予告とレスへのお返しです~(11日追記)


というワケで、ストパニSSの続編です!
思いっきりドラマCDル・リム編のパロですw
アニメでは、天音さまと千華留さまはお互いのことをもう覚えてないようでしたけど、
ふと思い出したらどうなってたんだろう?って思って書いてたら、
こんなカンジになりました☆
他のカポーみたいにイチャラブになるよりは、
こんなカンジでほどほどに距離を置いた付き合いってカンジが天千華はいいかもです。

んで、蕾ちゃんと千代ちゃん☆
この子たちは初々しくぎこちないんですけど、
とってもラブラブなんですvv
とかく焦りがちな蕾ちゃんと、天然ほわほわな千代ちゃん、
対照的な2人ですけど、
着実に愛の二人三脚を進めていってほしいと思います♪

さて、今回出なかった光莉ちゃんはどうなっちゃうのでしょうか??
王子様は光莉ちゃんを探してたはずが、
魔法使いのお姉さんといいカンジになっちゃいましたしw
それは、後編でわかるかもですよー?
でも後編の前に、バレンタインSS書くかもです。
となると、後編は来週以降になるかと思います。
後編、お楽しみにしていてください~☆



では、拍手・コメへのお返しです~♪


>比奈さま☆

ご無沙汰しております~☆
そして、なかなかご挨拶できなくてゴメンナサイです;_;
今回の中編で、もうだいぶシンデレラから外れまくってますねw
元ネタがドラマCDル・リム編ということで、
天音さまと千華留さまのシーンを力いっぱい書いてましたが、
それに負けず劣らず、つぼちー的なシーンも書いちゃいました♪
どちらも好きなので、書いてて楽しかったです☆
お城を飛び出した光莉ちゃんがどうなるのかは、
後編で明らかになる予定ですw
後編も、ワクワクして待っていてくださいvV


>星鈴さま☆

あけましておめでとうございました~(過去形/笑)
今年もよろしくお願いします!
はい、とってもいい初夢を見たのです♪
初夢は幸せな夢を見るぞーって思ってかなり気合入れて寝たのですが、
まさかこーえりの結婚直前の夢を見られるとは!
とてもホクホクした気持ちで新年を迎えられましたw
喜屋武さんは、私の理想の女性なのです!
私もあのような女になりたいですし、
あんなカンジの上司・友達がいたら嬉しいなって思います☆
はい、これからもSS作っていきますので、よろしくおねがいします!


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Author:チカ
女の子と女の子が女の子どうしで女の子し合う話が大好きですvv
同級生百合や姉妹百合が私の嗜好。
けど、上級生×下級生もやっぱ好きvv

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