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百合とかGLとかガールズラブとか、いっぱいいっぱい書きたいですvv

 
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2008年09月15日
あなたの温もり



  そばにいてくれる
  それだけでも嬉しいのに・・・

  触れ合うことができれば、
  どんな不安も解けて無くなり、
  そして、温かい気持ちになれる

  私はきっと、アイツのこと・・・



「落ち着いた?」
「・・・うん」
「そっか、よかった」
絵里子の返事に安堵の表情を見せる香田。
しかし、ベッドに横たわる絵里子の返事はまだ力無いものであった。



あれから香田は、
もうしばらく絵里子の部屋に滞在することにした。
異常なまでに取り乱した絵里子のことを、
放っておくことができなかったから。
あまりのことに状況を飲み込めず、
動揺を隠せない香田であったが、
とりあえず絵里子を落ち着けようと、
彼女をベッドに戻したのだった。



「ごめんね、香田・・・」
「全くだよ、もう、びっくりしたんだから」
「・・・」
絵里子は香田に申し訳なくて、
何も言うことができなかった。


  あの時自分は何を思ってたのだろう?

  何を感じていたのだろう?


正直、絵里子もなぜ自分があんなに取り乱したのか、
理解できずにいた。
ただわかったことといえば、
香田がその場から消えてしまうことに、
大きな不安を感じていたことだけ。

普通、気持ちが落ち着くにしたがって、
そのような時の心境を冷静に思い出してくるものであるが、
今回に限っては、どうしても思い出せない。


  どうして自分はあんなに不安だったのだろう

  いったい何を恐れていたのだろう

  不安だったのは覚えてる

  でも、何故不安だったのかが、思い出せない


絵里子はふと横を見た。
そこには香田が座っている。

今日、ずっと会いたかった香田。
その香田が、目の前に座っている。
手の触れられるほどの距離に。


  手の触れられるほど・・・


絵里子は上半身を起こした。
「ちょっと、絵里子、大丈夫なの?」
突然動き出した絵里子に驚き、気づかう香田。
「うん、大丈夫だよ」
そう返事すると絵里子は、
少しうつむき加減になり、香田に尋ねた。

「ねぇ、香田」
「何?」
「香田の手、握ってもいい?」
「え・・・?」
香田は絵里子の意外な願いに、
一瞬何を聞かれたのか理解できなかった。
「お願い…」
絵里子は懇願した。
香田は絵里子の真意を理解できず
少し戸惑っていたが、
「いい、けど…」
そう言って、ゆっくり右手を差し出すと、
絵里子は両手で香田の手を握った。
握るというよりも、そっと添えるといった感じで優しく。



「不思議・・・」
「え?」
「何だか、こうしているだけで、
 私の心の不安とか心配とかが、
 全部消えて無くなっちゃう気がする」
「な、何を言って・・・」
「香田の手、温かい・・・」
「ど、どどど、どうしたのよ!?」
恥ずかしそうに顔を赤くする香田。
一方、絵里子のほうは、
先ほどまでのやつれた感じの表情が、
次第に穏やかになってきていた。
「ね、ねぇ、もういいでしょ?」
「だーめ」
あまりの照れくささに早く手を引きたくなる香田だったが、
絵里子はそれを許さなかった。
そんな絵里子の顔は、
すごく安らいでいて、安心感に満ち溢れていた。
「うぅ・・・」
恥ずかしさのあまり何とか手を離そうとする香田だったが、
絵里子の屈託のない表情を前に、
なすすべがなかった。
「今日の絵里子、なんか変だよ?」
「えへへ、変でもいいもーん」
ようやく笑みを浮かべることができるようになった絵里子は、
しばらく香田の手に触れ続けているのであった。



「ごめんね、香田、こんな時間まで。
 もう、大丈夫だから」
「そ、そう?」
「うんっ!
 明日学校で会おうね」
「・・・わかったわ。
 明日は学校で会おうね。
 今日あたしが働いた分、
 きっちりやってもらうんだから」
「あ、それは・・・」
「アハハ、そんじゃ、おじゃましました~」
「もう・・・
 バイバイ、また明日ねー」
香田の言葉にあきれながらも、
最後は笑顔で香田を見送る絵里子だった。



香田を見送った後、
絵里子は自分の両手を見て、
不思議な気分になっていた。


  香田に触れるだけで、こんなに気持ちが安らぐなんて・・・

  どんな不安も一気に消えちゃうなんて

  こんなこと、今までなかったのに・・・

  何だか・・・心が温かい・・・


絵里子は両手を自分の胸にあてた。
まだ手に残る香田の手の感触を体で味わうように。
ドクン、ドクン。
胸の奥にある心臓を通して、
香田の手の温もりが全身に伝わるかのようだった。

「香田・・・」
やさしい、心地いい、温かい・・・
そんな香田の感触は、瞬く間に絵里子の全身に広がった。

「まるで、香田に抱かれてるみたい・・・」

そして、絵里子は思い出していた。


  はじめて香田と会ったときの事、

  最初はいがみ合っていたこと、

  そして仲良くなったこと、

  いっしょに自治委員になったこと、

  芙蓉祭をやり遂げたこと、

  そして、修学旅行のこと・・・


いつだって側には香田がいた。
そして、そのときがすごく楽しくて、
気持ちが和んで、
一緒に何かをやり遂げたとき、すごく嬉しくて・・・。

だから、これからもずっとずっと、香田といっしょにいたくて・・・。


  そっか・・・


今まで様々な思いを交錯させていた絵里子。
悩み、苦しみ、そして癒され、
絵里子は自らの気持ちを悟るのだった。


  私、きっと・・・


  香田のことが、好きなんだ・・・


  香田に、恋してるんだ・・・



(END)



 ↓ 後記らしいです(ぇ)



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Author:チカ
女の子と女の子が女の子どうしで女の子し合う話が大好きですvv
同級生百合や姉妹百合が私の嗜好。
けど、上級生×下級生もやっぱ好きvv

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