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百合とかGLとかガールズラブとか、いっぱいいっぱい書きたいですvv

 
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2009年09月29日
2人の時間


「こんにちはー・・・って、誰もいないか」
放課後、梓は軽音部の部室を少し見回し、
まだ誰も来ていないことを確認した。

今は静かだが、にぎやかになるまではそう時間はかからない。
しばらくすれば、先輩達がやってきて、
それはそれは楽しいティータイムが始まるのだから。
できれば、バンドの練習でにぎわしくなってほしいところだけど、
もうそれは今さら突っ込まないでおこう。



でも、梓には彼女だけの楽しみがある。
それは、梓が部室に来る時間と部室がにぎやかになる時間の間の、
決して長くは無い時間。
そう、まさに今このとき。



ぱたぱたぱた・・・
部室の外から音が聞こえてきた。
間違いない。
これは、自分の大好きな人が、
まさに今ここに来ようとしている足音。
梓は、次第に自分の胸が熱くなってきているのを覚えた。

そして、部室の扉が開くと同時に、
「あずにゃーん!」
と梓を愛称で呼ぶやいなや、
唯は梓に抱きついたのだった。



「うー、あずにゃん、会いたかったよー」
「ゆ、唯先輩、大袈裟ですね、
 いつも会ってるじゃないですか。
 今日のお昼だって、一緒でしたし」
「私はね、あずにゃんと少しでも長く、
 ずーっといっしょにいたいんだよ」
「だからって、そんなに抱きついてこなくても」
「それとも、あずにゃんは・・・違うの?
 いつも私といっしょじゃ、嫌?」



突然、悲しそうな声に変わる唯。
梓は唯の顔をうかがうことはできなかったが、
きっと表情も悲しそうなものになっているのだろうと思った。
唯が言葉と表情と感情を一致させずに振舞えるほど器用な人ではないことを知っていたから。
だからきっと、本気で悲しいという感情をも抱いているに違いなかった。



梓は唯に悲しい思いをさせたくは無かった。
梓は唯のことが大好きだから。
だから、唯に悲しまれてしまうと、梓は弱かった。
だから梓は、簡単に陥落してしまうのだった。



「私だって・・・唯先輩とは、
 少しでも一緒に・・・いたい・・・です」
「あ・・・あずにゃーん!」
「せ、先輩!」
嬉しそうに頬擦りをしてくる唯に、
梓はなすすべがなかった。
それは、梓だって嬉しかったから。
こんなにも自分のことを愛してくれていることを。



こんなやり取り、今まで何回やったことだろう。
もう、数え切れないくらいやっている。
唯のスキンシップを拒否するような仕草をすると、
唯は突然悲しそうになる。
そこで梓が唯をなだめる。
そして2人で愛を確かめ合う。

はたから見れば、典型的なバカップルかもしれない。
梓だって、少しだけ馬鹿馬鹿しさを感じないでもなかった。
(唯は全く気にする様子は無いのだが)
でも、唯が嬉しそうになると、梓も嬉しくなり、
何もかもを許せるような気になるのだった。
このような茶番じみたやり取りであっても。



頬擦りがしばらく続いた後、
唯は梓から少し顔を離して梓を見つめるとやがてゆっくり目を閉じ・・・

ふわっ

そのまま静かに梓に口付けをした。

それは、愛に満ちあふれた、
とてもやわらかくて、やさしい感触。

いつしか梓も、ゆっくりと目を閉じて唯からの口付けを静かに受け入れていた。



  あずにゃん、大好きだよ
  世界で一番、あずにゃんのことが


  私も、世界で一番、
  唯先輩のことが大好きです
  


2人はそのまましばらく動くことはなかった。



2人だけの時間は、間もなく終わろうとしている。
だけど、2人だけの時間はまたやって来る。
その時間がまた終わったとしても、さらにまたやって来る。
そうした時間が重なっていくことで、
2人の時間はやがて永遠となる。




ふわっ



2人は再度、口付けを交わした。
ずっとずっと一緒にいられるように、この時間での最後の口付けを。
永遠へと繋がる、口付けを。



(END)



↓後記ですのだー



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けど、上級生×下級生もやっぱ好きvv

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